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多摩産材事業者インタビュー

東京でつくる、つなぐ、つかう多摩産材の利用拡大を目指して……

一般社団法人多摩産材活用あきがわ木工連

「東京の木を東京で使うこと、それは東京の環境を整えること」
平成21年に結成された一般社団法人多摩産材活用あきがわ木工連は、あきる野市でこの地域の木を使って事業を営んでいた、3つの事業所が力を合わせて発足しました。

戦後の植林から半世紀ほどが経ち、多摩地域には、利用するのに十分な太さに生長したスギやヒノキ、サワラが多くあります。それらの木が利用されずに埋もれている状況を憂い、多摩産材の普及・啓発に努める職人集団です。

多摩の木、地域の技術へのこだわり

あきがわ木工連では、「東京の暮らしのなかに、東京の木を身近に感じられるように」という想いを大切に、多摩産材による木工製品を手がけています。

多摩の木にこだわり、地域の技術にこだわってつくり、山と街、職人とユーザー、物とストーリーをつなぎ、東京で暮らす人に良いものを末永く使ってもらえることを願って創造活動をしております。

そんな私たちは、あきる野市の養沢地区にある古民家を拠点として、山から見た東京の暮らしをデザインし、地元で製造した木工製品を納めています。

養沢地区の地名の由来となっているのは、ここを流れる養沢川。この川をくだっていくと、秋川を経て多摩川へとつながります。川上から川下へ、昔は材木が江戸の街まで流通していました。これと同じように、私たちあきがわ木工連は、多摩産材のスギやヒノキを東京の街にお届けしています。

木育活動「キトコト60」

私たちが力を入れている事業のひとつに、子どもたちへ向けた木育活動があります。

私たちの商品をお求め下さるお客様には保育園や幼稚園の方が多く、子どもたちやその保護者の方々、保育士さんたちと触れ合う機会があります。お客様の様子を見ておりますと、子どもたちは木の家具や玩具に触れるだけで、無垢の木の温かさや触感、匂いなど……五感でその価値を感じてくれます。今、「木育」ということが盛んに言われていますが、子どもたちにとっては“そこに木があるだけ” で十分なのではないでしょうか。

むしろ大人の方が子どもたちから学ぶことが多いと考え、毎月「キトコト60」という親子木育活動を開催するようになりました。

子どもたちを山に放ち、大人たちはそれを見守ります。春は山菜を探し、夏は川で魚を釣って食べ、秋はお弁当を持って山に登り、冬には餅つきをします。そこには常にスギやヒノキの山があります。そんななかで、子どもたちはすぐにヒノキとスギの区別がつくようになります。その様子を見ていると、大人たちにも何か感じることがきっとあるのではないでしょうか。

  • 代表理事の佐藤眞富さん:イメージ
    代表理事の佐藤眞富さん
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