多摩産材事業者インタビュー
広島県で天然木化粧板を作り続けて50余年
大和ツキ板産業株式会社昭和42年創業の大和ツキ板産業株式会社は、主に婚礼タンスで知られる「府中家具」ブランドを製造する業者向けの材料を作っていました。その後、建築内装にツキ板化粧板が普及しはじめたことで、昭和60年ごろから内装用建材の製造に専念するようになりました。
現在当社は、天然木化粧合板・不燃材・造作材・各種塗装品などの製造・販売を行っています。自社工場による一貫生産体制で、月産最大20,000㎡の生産能力を有し、国内の著名な建築物やホテルの内装などに多くの納入実績があります。
ツキ板の貼りから加工、塗装まで
内装用化粧板を手がける当社ですが、顧客からの要望に応えて、造作材の製造も開始。また、「塗装もしてほしい」との要望に応えるかたちで、平成10年には塗装部門も設立。自社塗装工場を備えたことで、ツキ板の貼りから加工、塗装までを一貫して行える自社製造ラインが整いました。
造作材や塗装を始めた当初は経験が乏しく、クレームや手直しが続きました。納期に間に合わせるために夜通し作業し、納めては手直しに行く日々。夜中まで明かりが灯っていたため、ご近所から「不夜城」などと揶揄されることもありました。
当社が現在持つ生産管理システムや効率的かつ高品質なモノづくり体制の陰には、苦労を重ねながら技術と経験を蓄積してきた歴史があるのです。
SDGsや森林保護などへの取り組み
平成29年、違法伐採を阻止するため、合法伐採木材の流通及び利用促進に関する法律(通称「クリーンウッド法」)が施行されました。当社も令和2年、このクリーンウッド法の第二種木材関連事業者として登録されました。
合法木材を適切に利用し、「つくる責任 つかう責任」を意識した、持続可能な消費と生産のパターンを確保するための製品づくりに努めております。
多摩産材などの国産木材に関する今後の取り組み
近年、国産木材の利用が促されていますが、国産木材には、木目のなかにある節や赤白部分が「欠点」として捉えられ、内装化粧材としては使いづらいという問題があります。しかし当社では、この節・赤白部分をあえて「自然が織りなすデザイン」として活かす製品づくりに努めております。天然素材ならではの表情を楽しんで頂ける商品づくりこそが、国産木材の利用促進につながると信じております。人と同じく、1つとして同じものが存在しない天然木。これをただ使うだけではなく「楽しむ」ことが、われわれ木材事業者に課されたミッションだと考えています。
当社では、今後もさらに国産木材のラインナップを増やし、国産木材の利用促進に貢献していきたいと思います。