多摩産材事業者インタビュー
国産木材を活用した構造用LVLで森林資源の地産地消を実現
株式会社キーテック地域振興、地産地消、脱炭素に積極的に取り組む株式会社キーテック。当社は、昭和33年に合板の製造販売の会社として東京都・晴海の地に創業しました。当初はおもに外材(南洋材)を用いたラワン合板を製造していましたが、昭和56年に木更津工場を設立したのを機に国産木材を用いたLVLの製造を開始。さらに令和元年には山梨工場を竣工し、100%国産木材による合板の生産を開始しました。
初の構造用LVL
当社は平成3年、日本で初めての構造用のLVLを開発しました。それまでも造作材のLVLはありましたが、柱や梁など強度を求められる部位にも対応可能なLVL建材は画期的でした。当初はLVLの材料に外材も使っていましたが、次第に多摩産材を含む関東やその周辺地域の国産木材を使用するようになり、今では当社のLVLの半分以上は国産木材のものです。
多摩産材をはじめとした国産木材の有効活用と脱炭素への取り組み
LVLの長所は、従来使いにくかった反りや曲がりのある原木、16cm以下の小径の原木でも生産が可能だということです。薄くスライスした材を接着することで、均一化、ゆがみや割れの抑制、高い強度、経時変化の少なさなどを実現しました。さらに接着剤に薬剤を混入することで、防虫性能や耐火性能の向上も可能です。
また、国産木材の合板を生産する山梨工場では、長野県や山梨県の森林で育った近隣の材を多く使用しています。このことで国内林業・木材産業の活性化、脱炭素にも貢献しています。
当社は国産木材を用いた、均一化されて経時変化が少なく、強度も強い建材をお届けします。ご要望に応じて、多摩産材はもちろん、各県産材の使用を検討致します。
本当の木材は質感がやはり違いますので、ぜひお試し下さい。
木の究極の地産地消を目指して
近年は、木材、特に国産木材や多摩産材をはじめとした地域材を使った建築が求められています。この背景には、木が脱炭素化社会に合った素材であるということ、技術の進歩による国産の準不燃木材の登場などがあります。加えて当社では、お客様から寄せられる声などから、人々が鉄とコンクリートの無機質な建物に辟易し、自然素材ならではの温もりを欲しているのではないかと考えています。
建築を木造化することは、日本人らしい建物や町並みを取り戻すことでもあると感じます。地方に昔あった「裏山の木でつくった小学校」のような、自然との共存。そこまでの地産地消ができたら最高です。究極には、別荘地などで、自分の土地の木で作った建物というのが理想です。