多摩産材事業者インタビュー
多摩産材をはじめ、希望する地域の木を使った家具をお届け
コクヨ株式会社明治38年、和式帳簿の表紙店として創業したコクヨ株式会社。「人の役に立つことをしていれば、必ず受け入れられる」という創業者の信念を受け継ぎ、帳簿やノートからオフィス家具や文房具全般へとその事業を広げてきました。
そんな当社は、平成10年から時代に先駆けて、スチールデスクの天板部分に国産の間伐材を使った商品を提案するなどの取り組みを行ってきました。また、平成18年10月からは、地球環境に関する様々な課題を解決すべく、高知県を流れる四万十川流域の森を舞台に「結の森」プロジェクトをスタートさせています。
日本の森林資源を守るために間伐材を使ったオフィス家具を
日本の森林のおよそ4割は人工林です。そしてその森林の多くが、間伐不足によって機能の低下を起こしています。森林を活かすために必要な間伐がなされないのは、間伐材が売れないから。そこで、当社が「森林資源を利用することで成長してきた企業として、コクヨとしてできることはないか?」とまず始めたのが国産の木材・間伐材を家具に使おうという取り組みでした。間伐材の天板からスタートして、官公庁などに「地域材を使いませんか?」と呼びかけ、新たな国産木材の利用方法を生み出そうとしたのです。
直接的に森林保全に取り組む「結の森」プロジェクト
間伐材を使った製品という間接的な森林保全に加え、当社では平成18年からより直接的な森林保全活動である「結の森」プロジェクトにも取り組んでいます。高知県の四万十川森林組合(当時は大正町森林組合)の集成材工場と連携し、まずは四万十川流域の森を育て、それを国産木材のオフィス家具に。今では四万十川周辺の地域のみならず、多摩産材をはじめとした全国各地の地域材に新たな命を吹き込み、地域木材の地産地消に貢献しています。
四万十町の町役場は、窓口のカウンターや記載台、待合の椅子など、木製家具の多くは当社が提案した四万十檜で作られています。また、醸造樽を作っているのと同じ森の木で酒造メーカーのオフィス家具を作ったこともあります。
使うことで地域の森林保全に貢献できるオフィス家具
スギやヒノキなど、針葉樹を家具として利用することは様々な困難が伴いますが、持続可能・再生可能な材料として、環境面でも非常に優れた素材です。国産木材・地域材で作られた製品を選ぶことは、SDGsの「つくる責任 つかう責任」にも合致します。多摩産材をはじめ、地元の木で作られた商品を使うことは、その地域の森を守ること。価格がネックになりがちな地域材、国産木材ですが、価格だけではない価値が木にはあるのです。
ぬくもりが感じられ、使っていくうちに味わえる変化があるため、やはり木には他の素材にはない良さがあります。皆様の地元の材で、そんな木の家具をお届けします。