多摩産材事業者インタビュー
次世代へつなげていく都市と山の共生
越井木材工業株式会社その歴史を江戸時代の木材商までさかのぼることのできる越井木材工業株式会社は、大阪に本社を構え、令和4年に創業132年を迎えます。明治時代に日本初の電信電話開設の際に逓信省へ電柱素材を納入するなど、人づくり、モノづくりを通して、社会貢献を目指してきました。近年は、QCDE(品質・価格・納期・環境)の改善やSDGsへの取り組みにも力を入れています。
多摩産材を利用し、都からの様々な認証を受ける製品
当社では、建築、公園、土木、鉄道車両、トラック、DIYなど広い分野に使われる木材製品を取り扱っています。トラックや鉄道車両のボディや内装、床材、住宅などに使われるサーモウッドやパネル、サッシなどが主力商品で、デッキやフェンスに関しては、設計・施工まで請け負っています。
当社のフェンスは「とうきょう森づくり貢献認証」(木製デザインフェンス7種類)を受けたほか、デッキや軒天が「東京都港湾局新材料新工法」「東京都建設局新技術」に選定されるなど、多摩産材の利用促進のための様々な認証を受け、幼保施設や公共施設などで多数の実績があります。また、多摩産材フェアには毎年参加していて、その優れた技術・工法は広く知られています。
目指すはSDGsの17ゴールすべての達成
全社を挙げてSDGsの17ゴールすべてを達成するという目標を掲げている当社。特定分野だけでなく、17のすべてに取り組むことで初めて見えてくる課題やチャンスがあると考え、社員一人一人の意識も確実に変わってきています。その目標と、東京都が取り組む多摩産材の活用とが、まさに合致しているのです。
そんな当社では、国産木材の歩留まり追求にも取り組んでいます。原木の単価を一定以上の高値に保つことができれば、十数年後に到来する主伐期にも、再造林の費用が捻出できます。そのための課題は、様々なスペックの製品の販路を開拓すること。木材利用を増やしていくことでこれが実現でき、本当の持続可能な森林経営が実現できるのです。
「地産外消」で、都市と山の共生を
レスケミカル、高い耐久性など、近年、木製品には多くのことが求められるようになってきました。そんななか、当社の高い木材加工技術を背景としたコシイ・スーパーサーモやデザインフェンスなどが支持されています。これまでも、特に都市部での木材利用の促進を図り、山間部へ価値を還元するモデル「地産外消」を長く掲げてきました。
SDGsと東京都の理念によって、都市と山の共生が可能になるチャンスがやってきたのです。皆様と夢を共有し、次世代へ素晴らしい世界を残したいと思います。