多摩産材事業者インタビュー
多摩産材のヒノキにこだわった木工品とオーダー家具
木工房・茶房 もりのうたJR武蔵五日市駅から車で約30分、「下川乗」のバス停近くに、「木工房・茶房 もりのうた」のログハウスが建っています。このログハウス、実は自らキットを購入し、平成13年におよそ4か月かけて組み立てたものです。さらに、平成15年には檜原村産のヒノキとスギで増築しました。
ここで、手作りの木工品とオーダー家具の製作販売を行い、妻が喫茶店を営んでいます。やさしい手触りの木工品をじっくり選びながら、美味しいコーヒーや紅茶、軽食を味わえるとあって、檜原村の人気スポットになっています。
夫婦二人三脚の工房とカフェ
私の前職は、「木工房 森のささやき」の中島さんと同じ自動車メーカー。在職中に会ったことはありませんでしたが、偶然の出会いから意気投合して半年間、中島さんの下で修行しました。木工機械の扱いなどを習得し、木工の勉強もかねたログハウスの組み立てを経て、平成13年10月、「もりのうた」をオープンさせたのです。
木工品の店を持つという構想はあったものの、それだけでやっていくのはややリスキーだと感じていたので、妻が私の夢に乗るかたちで喫茶店を始めてくれてありがたかったです。木にこだわりのあるお客様はもちろん、カフェ目当てでいらしたお客様も、日用品の小物をお求め下さっています。
多摩産材のヒノキにこだわった「何でも屋」のオーダー家具
製作する家具は、置く場所や大きさはもちろん、引き出しの数やミリ単位の寸法まで、1からヒアリングを行って、お客様と一緒につくり上げていく完全オーダーメイドです。大きなものでは本棚やリビングテーブル、小さなものだと椅子やアタッシュケースと、様々なものを手がけてきました。変わったところでは飲食店の座卓を椅子に直すという依頼もありました。私は何でも屋なので、家具のオーダーの際は、まずはご相談下さい。
地場産材である多摩産材を活用することにこだわり、特にヒノキの木目の美しさを活かし、木目がつながるような家具を得意としています。
生活のなかにすんなりと木が入っていけるようなものづくりを
店内の木工品には、鳥をモチーフにしたものが目立ちますが、これは野鳥写真の撮影という私の趣味に関係します。そして、小物には端材を用いるなど、無駄なく木を活かすことも心がけています。「家庭のなかに木製品をたくさん広めていきたい」という想いから、スマホスタンド、楊枝入れ、カップなど、気軽に使えそうな日用品を数多く製作。スプーンひとつとっても、木のものにはぬくもりがあるのです。
お客様のご要望からもアイデアを取り入れつつ、木の良さが伝わるようなものづくりを、今後も続けていきたいと思います。