多摩産材事業者インタビュー
全く新しい不燃木材「アルファティンバー」
株式会社内外テクノス明治28年に大林組の製材工場として創業した株式会社内外テクノスは、昭和6年に内外木材工藝株式会社として大阪市に設立し、令和3年に90周年を迎えました。
そんな当社が東京出張所を開設したのは、終戦の翌年の昭和21年。昭和39年には、今の埼玉県ふじみ野市に新東京工場(本社工場)が完成し、高品質で安全な製品をよりスピーディに顧客に届けられるようになりました。
国産木材の使用率を高めるカギは不燃木材
国産木材を有効活用しようという機運が高まるなか、政府も令和7年までに国産木材の利用を国内の50%にまで高めようという目標を掲げています。そして、このために不可欠なのが木材の不燃化技術です。しかし、従来の不燃木材にはコストがかかる、薬剤の染み出しによる白華が起こるなどの問題点がありました。
当社ではまず、木材の表面に塗膜を施す内装用白華抑制塗料「ウッドエフロバリア」を大林組と共同開発しました。木材の美観を保つことと、防火性能を両立させたこの製品は、高輪ゲートウェイ駅や大月のバイオマス発電所、横浜駅西口の再開発などで使われました。
環境にもやさしい全く新しい不燃木材「アルファティンバー」
さらに令和3年4月には、全く新しい不燃木材「アルファティンバー」を発表したました。同製品は薬剤を全く使わない不燃木材のため、木が重くなる、リサイクルできない、酸性の薬剤によって周囲がさびやすくなる、といった従来の不燃木材が抱えていたデメリットをすべて解消しています。もちろん白華の心配もありません。
多摩産材をはじめとする国産スギ材の基材をアルミニウム箔で覆い、表面にツキ板を用いて塗装する製法の「アルファティンバー」は、表面のツキ板の素材に制限はないため、意匠性にも非常に優れた不燃木材となります。表面の塗装をはがせば簡単に木材としてのリサイクルが可能で、さらに製造時に必要なエネルギーも低く抑えられ、環境にも非常にやさしい不燃木材です。耐用年数も、内装材ならノーメンテナンスでも50年以上と長く、多くの問い合わせが寄せられています。
国産木材、多摩産材をより広く使うために
多摩産材の魅力は、「割と太い木、樹齢が長い木」が多いこと。目がつんでいて、良い材が取れることです。東京都内を中心に「多摩産材で作って下さい」というリクエストもあり、当社では喜んで対応させて頂いております。「アルファティンバー」の表面のツキ板に、美しい多摩産材のスギを使うことももちろん可能です。