多摩産材事業者インタビュー
木材の総合商社として、ニーズに合わせた活用をご提案
ナイス株式会社昭和25年に木材市場の運営会社として設立されたナイス株式会社は、いわば「木材の総合商社」です。当社は、木材の流通から資材調達、木造建設、リフォームの相談まで、木に関するあらゆる事業に取り組んできました。
現在も「健康」「環境」「耐震」の3つをキーワードに、「木」と「建築」のスペシャリストとして、持続可能な社会の実現を目指した様々な事業を推進。社有林の保全・育成、木の価値を高める新製品開発などを通じて、日本の木質化の推進、持続可能な社会の実現を目指しています。
多産地連携システムで多摩産材を含む国産木材の活用を推進
ウッドショックを機に、国産木材への注目が高まりました。しかし、国産木材の更なる活用に向けては、安定した供給が重要です。そこで当社は、多産地連携システムを構築。全国から木材を調達してストックし、必要な顧客に届けることを可能にしました。この強みを活かした「国産材プレミアムパッケージ」では、骨組みから断熱材、内外装材まで、すべて国産木材による木造住宅を実現。日本の森林と地球を守り、さらに快適な空間で住む人が健康になれる住まいで、木の本質的な価値を高め、脱プラスチック・木質化を推進するウッドチェンジを目指しています。平成30年には、他社に先がけて「JAS構造材活用拡大宣言」を行いました。
木の可能性を広げる特殊加工処理材「ObiRED®(オビレッド)」と「Gywood®(ギュッド)」
そんな当社の取り組みを支える独自の製品が「ObiRED®」と「Gywood®」です。
「ObiRED®」は、江戸時代からのスギの産地・宮崎県飫肥地区を中心に生育する飫肥杉(おびすぎ)に着目して誕生しました。30cm以上に育った大径木の赤身部分だけを使った高機能のスギ材で、軽くてやわらかく耐久性にも優れています。
また「Gywood®」は、スギ材の表面部分だけを圧縮した究極の無垢材。表層圧密技術により、広葉樹(ハードウッド)と多摩産材をはじめとする針葉樹(ソフトウッド)の両方の長所を備えています。機能面では硬さ、軽さ、ぬくもり、低反発、加工性の高さ、高い形状安定性、ノンケミカルの無垢材という7つの特長を持っています。さらに美しい木目で、薄型のデザインも可能であり、良好な塗装性などを備えています。
素材としての木の可能性を最大限に
スギの大径木など、使いづらい径の材は、これまで用途が少なく、伐ったまま捨て置かれたり、バイオマスチップにされたりしていました。しかし、当社の技術やノウハウは、それらの国産木材の救世主となりえます。国産木材の価値を高め、需要を創造し、製材所や山にも還元できるように、木の付加価値を生み出していきます。単に「木を使う」ではなく「質を高めた使い方」を提案します。