多摩産材事業者インタビュー
多摩産材 × ピラティスで環境保護と人々の健康の両方を追求!
奥多摩ピラティスJR奥多摩駅から車でおよそ15分。奥多摩湖のほど近くにある旧小河内小学校の校舎のなかに、平成26年に創業した奥多摩ピラティスがあります。
当社では、木の香りを感じながらエクササイズができるピラティススタジオを運営するほか、多摩産材を使ったピラティスマシンの製造販売、ピラティスのワークショップや体験会、指導者養成講座などを行っています。
ピラティスと出会い、木の癒し効果を再認識
私は多摩の出身で、幼い頃から父と釣りに行くなど、奥多摩の豊かな自然の恵みのなかで育ちました。新宿区の高校に進学して初めて、「同じ東京なのにこんなに自然環境が違うんだ!」と気づいたものです。ピラティスに出会ったきっかけは、スポーツの専門学校を経て、サーフィン選手を目指していた矢先のケガでした。長引く腰痛から救ってくれたのが、リハビリの一環として取り組んだピラティスです。何か、運命的なものを感じました。
平成21年、まだ日本でほとんど知られていなかったピラティスの会社に就職し、インストラクターとしての活動を始めました。活動をしていて気づいたのは、ピラティスで一度は良くなった患者さんが、1か月ほどでまた悪くなって戻って来てしまうことです。これは何でだろうと、疑問でした。 そんなとき「奥多摩の大ヒノキのところに行くと体がスッキリする」という話を聞き、試してみたら、本当にその通りでした。
大自然の力を再確認し、さらに自然を守りたい、木を植えたいと考え、スーパーカブで日本中の山を巡りつつ、植林をする旅に出ました。その旅で痛感し、たどりついた結論が、日本の森を活用し、自然を守っていかなければならないということでした。
多摩産材をふんだんに使ったピラティスマシン
独立してスタジオを始めた当時、国内のピラティスマシンはほぼ輸入品でした。しかし、日本人の体型には合わず、「背骨が痛い」などの声も多く聞かれました。
そこで、多摩の自然の材料を使ったピラティスマシンの製造販売を始めました。最初は多摩の竹や古民家の再生材で、次第に多摩産材のヒノキのものを中心に製造しました。当社のオーダーメイドのピラティスマシンは、「空間が木の香りになって癒される」「木目を見ると温かみを感じる」などと大好評で、都心のスタジオや、社員の健康増進を考える大企業などからの引き合いが絶えません。
米国のモントレーはヒノキの産地として世界的に有名です。でも、実際に視察に行ってみたら、日本の多摩産材のヒノキのほうがずっと香り高いのです。ヒノキ風呂などもあるように、日本のヒノキは本当に素晴らしい高級素材です。もっともっと日本の木を使って林業を活性化し、多摩産材や国産木材を地域のなかで循環させていかなければと思います。そして、多摩産材を使うことで地域の環境もそこに住む人の健康も守れるのです。ピラティスマシンの製造から、貢献していきたいと考えています。