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多摩産材事業者インタビュー

地元に根差し、多摩産材に新たな価値を

有限会社シーズ(Oxygen)

多摩の森林の置かれた状況を知り、その問題にデザインから貢献しようと立ち上げられたOxygenは、多摩産材のヒノキやスギをほぼ100%の商品に使用したデザイン家具のブランドです。単に木から生み出される「酸素」という意味だけでなく、プロダクトそのもののみならず、そこから生まれる空気感までもデザインしたい-そんな想いがOxygenの名には込められています。

多摩産材に異素材を組み合わせることの利点

Oxygenの家具の特徴のひとつが、多摩産材と異素材とのコラボレーション。スギやヒノキといった針葉樹は、強度の面で家具にはあまり向いていないとされてきました。Oxygenでは、多摩産材のヒノキにリノリウムやファブリックといった異素材を組み合わせることで、ヒノキの色味や木目、節の美しさを際立たせつつ、強度面の弱点をカバー。しかも、デザイン的にも優れた家具を生み出しました。

多摩産材を前面に出した家具には、デザイン的な視点から見ると、今ひとつというものが多いと感じていました。そこで当社は、うまく異素材を取り入れることで、木目を出しすぎず、洗練されたデザインの多摩産材家具、出しゃばらず、どんな場所にも順応する、シンプルかつスタイリッシュな家具作りを目指しています。

デザインの力で多摩産材の価値を上げる

多摩地域のスギやヒノキの針葉樹林には、50年近く放置に近い状況にあったところもあるそうです。しかし、森を守り、次代に伝えていくためには、今この森を活用してつないでいかなくてはなりません。多摩産材も、あまり手をかけてもらえずに育ってしまうと、扱いづらい素材になってしまいます。森林を今使うためには、数十年前からの人の手の積み重ねが必要なのです。そんなところからも、今生きている私たちが、「未来を見据えて何をするべきか?」ということを考えなくてはならないのだと思います。正直、便利な材料とは言い難い面もある多摩産材ですが、それをデザインの力でどれだけ魅力的に見せられるか、というのが当社のやるべきことだと考えています。

小回りの利く対応で空間そのものをプロデュース

受注生産の商品が多いOxygen ですが、ショールーム兼カフェ・ギャラリー「MODESTE」を訪れ、その場で気に入って購入する個人の方も少なくありません。

主役はあくまで使う人。お客様に快適にお使い頂くために、座面の高さや手すりの位置なども細かにカスタマイズ対応しています。また、Oxygenにはインテリア、プロダクト、グラフィックのデザインができるメンバーが揃っていますので、空間を丸ごとお任せ頂くことも可能です。大手にはできない小回りの利くきめ細やかな対応で、お客様のご要望をご満足頂ける形に致します。

  • 代表の望月成一さん:イメージ
    代表の望月成一さん
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