文字サイズ

多摩産材事業者インタビュー

創業110年を見据え、これからも木のぬくもりを伝えたい

株式会社ウッディーコイケ

秩父鉄道御花畑駅(おはなばたけ)から三峰口(みつみねぐち)方面に向かって乗車することひと駅。日本二百名山のひとつ武ぶ甲こう山ざんの麓、影森地区に株式会社ウッディーコイケはあります。社屋からは武甲山の勇姿を日々眺めることが出来る立地。新潟県から移り住んだ初代は、この雄大な風景に魅せられ、この地を選んだのかもしれません。

初代は山々の樹木を使った薪炭(しんたん)業から始めました。明治末のことです。戦後には秩父で産出されるセメントと砕いた木材とをコラボした「木毛(もくもう)セメント」の製造を開始。1953(昭和28)年、株式会社小池製材所を立ち上げます。1969年に同社は日本農林規格埼玉県内第1号に認定されました。

その後、プレカット工場の増設、ログハウス加工機の導入などを行い、1993(平成5)年に株式会社ウッディーコイケと名称を変更。2021(令和3)年には創業110年を迎えます。

育林から加工、施工まで

同社の強みは育林から木材の加工、納入、施工まで林業に関するサイクルを一貫して行っている点です。扱う木材は国内産のスギ、ヒノキにこだわり、多摩地区の林業にも深く関わっています。

事業内容は「木材事業部」と「プレカット事業部」の2つ。木材事業部は「山林部」「製材部」「ログ環境製品部」に分かれています。

山林部は森林整備を主な任務とし、製材部で使う丸太の調達につなげるベースを担っています。森林に分け入り、作業道を開設し、集材、造材、運材はもとより、間伐、枝打ち、下草刈り、獣害防護ネットを張るなどの獣害対策を施し、山林の保全、育成を手掛けます。

「当社で製造しているのは、ほぼ100%国産のスギ、ヒノキの木材加工品です。多摩産材の需要が増えれば、出荷量を増やさなければいけません。森林を育て、供給をサポートしたい」と木材事業部事業部長の千島巧さんは話します。

同社の山林部は東京都から依頼を受けて、通年奥多摩地区へ通い、山林整備に当たっています。

「多摩産材には普段お世話になっているので、10年、100年という長いスパンで考え、次の世代に林業の技術や山の恵みを継承したいという思いで山と向き合っています。夏場、太陽の下での草刈りなど大変な作業ばかりですが、社員みな頑張っています」と山林部部長の山口芳正さん。

森林の管理、土壌改良などを行うことにより、その結果が良質な丸太の調達に結びついています。育林を支える山林部があり、その先に木材事業が展開しています。

どんなニーズにも対応

製材部ではスギ、ヒノキ材の加工、製造を行っています。木材の耐久性を上げるため、地球環境と人に優しいホウ酸塩を加圧注入し、高耐久性をもつ外構用木材「もちすぎ」を生産。「もちすぎ」を使ってフェンス、ベンチ、ウッドデッキなどを製造しています。

ログ環境製品部では公共事業における外構関係の部材を加工、施工しています。案内板、説明板、指導標識、園名板をはじめ、ガードレール、遊歩道、木柵、木道、丸太階段、木製水路などに国産のスギ、ヒノキを使い、環境にあたたかな雰囲気を添えています。

「ホームセンターなどで販売されている既製品にはない特殊材に関して、あらゆるニーズに対応していくことが出来るのも強みのひとつです。特殊なサイズ、少量での対応も致します」とログ環境製品部部長の池田康一朗さんは胸を張ります。

多摩産材の活用

この数年の傾向として、国産木材のニーズが増え、国の後押しもあり、地域の木材を使用する公共建築物が増加しているといいます。

同社でも2019年、日比谷野外音楽堂観客席の建設に関わり、多摩産材のヒノキに防腐処理を行い、加工、施工を行っています。その他オリンピックの施設建設に多くの多摩産材を提供しています。

「外構部に木材を使う場合、防腐に関してしっかりした技術が必要です。防腐、メンテナンスを含めお任せ下さい。東京都市部のギスギスしがちな環境に多摩産材など本物の木材を用いることにより、雰囲気が和らぎ、そこに暮らす人々の心も穏やかになったらいいですね。地域の木材を使うことは、地域の森林の循環にもつながります。そのためにも林業技術の継承と人材の確保、育成にも力を尽くしたい」と千島部長。「今後は剪定(せんてい)した枝葉などを活用し、バイオマスに用いるなど幅広い展開をしていきたい」と同社は林業に新たな夢を託しています。

  • 株式会社ウッディーコイケ:イメージ1
  • 代表取締役の小池文喜さん:イメージ
    代表取締役の小池文喜さん
  • 株式会社ウッディーコイケ:イメージ2
  • 木橋:イメージ
    木橋
  • ウッドデッキ:イメージ
    ウッドデッキ
事業者紹介ページはこちら