多摩産材事業者インタビュー
多摩産材の端材で作る究極のエコ割り箸
社会福祉法人山の子会 障害者支援施設 山の子の家社会福祉法人山の子会「山の子の家」の始まりは、昭和63年、東京都武蔵野市に住む知的障害者の家族5人が「将来、親が亡くなった後も障害のある子が生活できる場がほしい」と集まったことでした。自分たちで出資し、施設用地を探すところからのスタートを経て、平成9年、東京都西多摩郡日の出町に開設した入居型の障害者福祉施設です。現在、「山の子の家」では、利用者が一人一人の適性に応じた仕事として「手工芸班」「割り箸班」「ひだまり班」「農園芸班」「リサイクル班」に分かれて、週5日間の作業を行っています。
職員と14人の利用者による手作りの割り箸
「山の子の家」に割り箸班ができたのは、平成22年のことです。同じ日の出町の浜中材木店から多摩産材の住宅建材の端材を仕入れられることとなり、割り箸作りがスタートしました。仕入れた端材は、まず職員の手で乾燥を施され、21cmの長さに切り揃えられます。それを割り箸班のメンバーが14mmの厚みに揃え、機械に入れて形を整え、検品。さらに職員も検品を重ねたものを100本ごとにまとめて、大学生協などに卸しています。
男性11人、女性3人の利用者が週に5日間(新型コロナウイルス感染拡大の影響で現在は週に3日間程度)、この作業にあたり、年間で多いときには40万膳、コロナ禍以降は約10万膳の多摩産材の割り箸を作っています。
多摩産材の白さとさわやかなスギの香りが特長
多摩産材のスギ100%の「山の子の家」の割り箸は、さわやかなスギの香りがそのまま残っています。「木の香りが感じられてうれしい」という声も多く寄せられています。また、多摩産材のスギの割り箸は、他地域の国産スギのものより白く美しい色味も特長です。
やわらかなスギは、もともとは箸にはあまり向いていない木材です。そのため、「山の子の家」の割り箸は、やわらかさをカバーするのと、使い勝手の良さとのギリギリのところを追求し、一般の割り箸よりも少しだけ太い仕様になっています。
究極にエコな多摩産材の割り箸
外国産の割り箸は、その製造過程で薬剤による消毒処理がなされているため、それを仮に土の上に捨ててしまうと、土に還るどころか、土壌の微生物を殺してしまいます。
しかし、「山の子の家」の割り箸は、地元・多摩の自然の木で作り、消毒も熱処理のみで充分なため、捨てたとしても、そこの土壌の栄養になります。もともとの材料が端材ということもあり、環境への負荷が限りなくゼロに近い、究極のエコ割り箸なのです。
今後は個包装の割り箸も増やしていく予定です。環境に良い多摩産材の割り箸を、ぜひご検討下さい。