木材を活用する専門家たち
木製家具ノスゝメ
木製家具を使用することで
木に包まれて、穏やかで健康的な
安心・安全な生活を
本カタログには、国産の木製家具も数多く掲載されております。一般社団法人日本家具産業振興会 会長で、飛驒産業株式会社 代表取締役会長の岡田贊三氏に、国産家具の取り巻く状況や、若手の育成、国産木材の使用についてなど、様々なお話をお伺いしました。
一般社団法人日本家具産業振興会 会長
飛驒産業株式会社 代表取締役会長
岡田 贊三Sanzo Okada
昭和18年、岐阜県高山市生まれ。昭和43年、立命館大学卒業。その後、株式会社富士屋代表取締役社長、株式会社バロー代表取締役副社長などを務め、平成12年、飛驒産業株式会社代表取締役社長に就任。家具には不向きとされていた国産スギを圧縮加工して使用した「HIDA」シリーズなど、業界の常識にとらわれない柔軟な発想でヒット作を次々と生み出す。令和3年より代表取締役会長。公職では令和2年より日本家具産業振興会会長のほか、飛騨木工連合会顧問、岐阜県木工連合会会長、高山商工会議所議員、日本工芸産地協会副会長。
日本家具産業振興会のなりたちと主な活動
日本家具産業振興会では、国内の家具メーカーが集まり、いろんな事業をしております。
例えば、国産家具基準、品質基準、室内環境基準、木材基準、保護基準、モラル基準等を作って、これらの基準に適合したメーカーに、国産家具表示認定をしております。 また、IFFT インテリアライフスタイルリビングという家具の展示会を年に一度やっておりますが、近年は新型コロナウイルスの関係で中止や規模を縮小して開催していました。
家具業界というのはとても小さな産業ですので、それほど力があるというわけではありませんが、国産家具というところで国内の家具メーカーが集まり、合法木材を使うことや、環境基準に適した材を使うことなどを、推進しております。
当団体は、戦後の昭和32年頃に日本輸出家具協会という団体ができて、昭和39年に全国家具工業連合会という団体ができて、同じような活動をしているのに交流がなかったため、「同じ目標があるのなら一緒にやりましょう」と、平成22年に合併して日本家具産業振興会になりました。
家具メーカーというのは日本中にそれぞれの産地を形成しており、当団体には現在、約60の企業と団体が参加しております。
家具業界の歴史と家具のトレンドの移り変わり
もともと日本には、それぞれの地域ごとに、ちゃぶ台や箪笥などの和家具作りがありました。江戸時代には指物師という家具職人がいました。今、私たちが使っているリビングやダイニングのような洋家具が作られるようになったのは、文明開化の頃からですね。西洋文化が入ってきて、モダンな家具が作られるようになってきたのです。初めは横浜の家具職人が西洋家具を模して作っていて、やがてだんだんと国内でも家具産業がさかんになっていきます。
そして、日本の木工技術が大変優れているということから、海外への国産家具の輸出がすごく多くなった時期もあります。
ドルショックなどで日本の輸出が行き詰まってきた頃、ちょうど国内では高度経済成長期で、団地などではダイニングセットや応接セットが売れていく、というような時期がありました。とにかく作れば売れていくといった景気のいい時代があったと聞いております。
やがて高度経済成長も終わり、世のなかが落ち着いてきますと、今度は豊かさや多様性が求められる時代になりました。最近では多品種少量生産というような形で生産の仕組みも大きく変わってきています。
合法木材使用ノスゝメ
世界的な環境問題に目を向けると、違法伐採によって森林の砂漠化が深刻化しております。現在世界の森林面積は約40.3億ヘクタールで全陸地面積の約3割を占めていますが、平成12~22年までの10年間で、年に平均約520万ヘクタールが減少しています※。森林の減少は地球温暖化、生物多様性の減少などの環境問題へとつながるものといえますが、その原因のひとつに違法で無秩序な伐採が指摘されています。
合法木材とは、合法性(法令上合法的に伐採されたものであること)や持続可能性(持続可能な森林経営が営まれている森林から産出されたものであること)が証明された木材をいいます。
本会でも「合法木材」を家具に使用していきましょうという方針をたて、その認定に取り組んでおります。本会では令和3年末現在で116社を、「合法木材供給事業者」として認定しております。
… 環境省サイト「世界の森林の現状」より
国産家具メーカーは品質を重視しています
国産家具の認定と国産家具に使われる木材
国産家具の良さについては、我々の主観によるところが大きいですが、国産家具メーカーは品質を非常に重視しております。そしてお互い切磋琢磨して高い技術力で家具を作っております。
木材の選び方から、安心・安全なものづくり、お客様に安心して使ってもらえるものと自信を持ってお薦めできる商品と思っております。
これも日本家具産業振興会として、国産家具としての品質の基準を作りまして、そして国産家具であるということを認定された会社には、商標を出しております。このマークがついている家具は、国産家具として安心して使って頂けるものということを我々が保証しております。
ただ国産家具ではありますが、使っている木材は国産木材とは限りません。外材を使っているメーカーが多いです。外材、国産木材を問わず、国産のメーカーで作られた家具を、当会では国産家具表示認定しております。
昔は本当に地産地消だったのです。「箪笥屋さん」というものが昔はありまして、それぞれの地域で、地域の材を使って、箪笥を作っていました。
そのなかから、洋家具を作ろうと変革をされて、そして企業として育ててきた、という流れですから、元々は地域に根づいた箪笥屋さんがスタートだったと思っています。
ただ、今は、これだけ流通が発達し、材も商品も多様化し、またネットなどでいろんな需要や情報も集まってきますので、地産地消一本でできる家具メーカーはあまりないでしょう。やはり木材は海外から持ってこなければいけませんし、売り先も全国、あるいは海外へ輸出といったかたちに変化しております。
広葉樹を使いたくても、木材が山にありません
国産家具業界が外材を使う理由
国産家具メーカーが外材を使うようになったのは、戦中・戦後の大量伐採が影響しております。
戦時中は資材や燃料として、戦後や高度経済成長期には建築資材として、本当に多くの木材が使われました。山の木々がのきなみ伐採されて、山に木がなくなってしまったのです。急いでスギやヒノキなど成長の早い針葉樹を植えたため、現在は山にスギやヒノキが多く見られます。けれども、家具に使われるブナやナラなどの広葉樹は成長に150年ほどかかるため、まだ育っていないという状況です。
国産家具に、国産広葉樹を使いたいのですが、肝心の木材が山にありません。そのために、外材に頼っているのです。とはいっても、大量伐採のときに、まだ伐採時期を迎えていなかったために残されたブナやナラなどもいくらかはありますので、そういった国産広葉樹を供給してもらおうとしているメーカーもあります。
国産家具業界へのウッドショックの影響
しかし現在、ウッドショックということもありまして、外材の供給が滞っていて、価格も非常に値上がりをしている状況です。そのため、国産家具にも国産広葉樹を使おうという動きも大きくなっております。
飛驒産業でも広葉樹を集めるために、全国の森林組合をまわって、国産広葉樹の供給をお願いしている状況です。戦後、80年くらいたちましたので、家具作りに適した広葉樹で残された木や、植えられた木が、そろそろ使える木も出てきております。
もちろん針葉樹は充分使える状況になっておりますので、針葉樹も活用していきたいと考えております。ただ、針葉樹はやわらかいので、家具には不向きな部分もありますが、それを使えるようにする技術を開発しております。
具体的には、やわらかい針葉樹を圧縮して強度を高めて家具に用いる、という技術です。飛驒産業では、20年ほど前から取り入れております。
ただし、強度的には問題がないのですが、家具というとやはり、ナラ材や、北米産のホワイトオーク材やウォールナット材というようなイメージがあります。スギ材で作りましても、なかなかお客様に受け入れられづらい部分がありますが、それでもかなり技術も高まってきており、今は需要も徐々に伸びております。これから更に需要が伸びる可能性を感じております。
国産家具の流行の移り変わり
家具の流行も、ファッションの世界と同じところがありまして、昔はあるパターンが流行ると、全部がそのパターンにならうという傾向がありました。
そのため、少品種でも大量に作ることができました。今はファッションも非常に多様化しているように、家具の世界においてもそれぞれの価値観がありまして、いろんなデザインを好まれる方が増えております。その需要に応えるために、どうしても多品種を作っていかなければいけません。
デザインやスタイルも大事ですし、座り心地や使い心地、その家具の物語性など、いくつもの側面が大事になってきているように思います。
簡単に「どれがいい」ということがなかなか難しくなってきている時代で、我々もいろいろとチャレンジして、苦労しながら商品を作っておりますが、やりがいのある仕事だと思っております。
昔と比べると品数も増えておりまして、10倍、20倍の多品種を作っております。
お客様のライフサイクルに合わせて、まだ若いとき、マンションや持ち家を構えたとき、それから終の棲家に移ったときと、家具もそれぞれ違ったニーズに合わせて変遷します。歳をとればとるほど、お客様の趣向も多様化していきますので、ヨーロピアンスタイルやジャパニーズスタイル、アメリカンスタイルがいいなど、価値観やこだわりも増えていきます。
お客様の求める、本当にいいものを提供できる時代が来たと私たちは思っております。
家具作り技術の継承
こうした、家具の作り手側のお話をしますと、それこそ木工技術というのは、縄文時代からあったわけです。そうした技術が時代とともに受け継がれ、さらに精度を高めて進化して、あるいは機械化によって技術を補って進化して、今に至っていると考えております。
木工という技術の中身というものは、それほど変化してないのではと捉えています。ただ、道具が変わってきた、技法が変わってきた、などの進化はありますが、基本的には木を加工して組み立てていく、という根本は同じでしょうね。
あとは、デザインのために木をどう切り出すか、といったところで、木を曲げたりとか、うすくしたりとか、いろんな技術も加えられています。伝統の技術を私たちは大切にしながら、新しい素材の活用や機械化などを進めています。最終的には人間の技というものが一番大切だと思っています。
そのために、飛驒産業では職人を育てる学校を作っておりまして、木工の技術を若い人たちにも伝えていく場を作っております。平成26年に開校した一般社団法人飛騨職人学舎では、2年間で技能と人間力を兼ね備えた一流の木工家具職人の養成を行っています。1年目は徹底した手加工技術、2年目は機械加工での家具製作を通じて、木製家具の知識・技能の習得を目指します。
今、若い人たちの間で、木工をやりたいという方も増えてきているような気がします。当社にも、全国から木工をやりたいという若い人たちが、毎年けっこうな数がきますので、この伝統技術を守っていけるのではないかと思っております。
日本家具産業振興会による若手育成への取り組み
本会として取り組んでいる若手の育成の一つに、技能五輪全国大会や技能グランプリ等への協力があります。これらの競技運営への協力や国家検定である技能検定のうち家具職種の検定委員の推薦などに、会として協力しています。
技能五輪全国大会とは、原則23歳以下の若い人たちが全国から集い、それぞれの技能を競い合う大会です。技能競技を通じて、技能を磨き、全国レベルの技術を身につけるために開催されています。42の競技職種(令和3年大会)のうち、建設・建築系10種目のなかに「家具」があります。
競技では、板と材料と図面が与えられて家具を作ります。図面に合わせて、木を切り、削り、2日間の合計11時間以内に完成させなければいけないという、大変過酷な競技です。全国大会に出場するためには、都道府県大会を勝ち抜く必要があります。
飛驒産業ですと、社内でコンテストをやって、そこで優秀な者が県大会に出て、県大会で優秀な成績をとって全国大会に出ていく、という形で競っております。
こうした活動で、本会では我が国の家具づくりの技能向上に貢献しているのです。
木材の効能静岡大学のマウス実験より
もともと人類というのは、森で暮らしてきたと考えられています。だから人間のDNA のなかには、森のなかで発生して、森で育ってきたという記憶のようなものがあるようです。森林浴という言葉がありますが、森のなかに入ると何か安らげる、木に囲まれていると何か心が落ち着く、というような癒やし効果があるといわれています。
実際、木から出ている成分が人間にとって非常にいい影響を与えているということも言われています。
昭和61年に静岡大学で、木製、コンクリート製、鉄製の箱それぞれにマウスを入れ、成長から繁殖、さらに第2世代の仔マウスの成長を観察する、という実験が行われました※1。結果、第2世代の仔マウスの23日後の生存率を見てみると、木製ケージでは85.1%、コンクリート製ケージでは41.0%、金属製ケージでは6.9%という結果になりました。
木製の箱では85%も生き残ったのに、金属の箱ではたった7%ほどしか生き残ることができなかった、ということになります。
静岡大学では翌年、さらにコンクリート製のゲージの床材の素材を変えることでの、マウスの嗜好性や生存率の実験もしました※2。結果は、木製、それもスギ材の嗜好性や生存率が高く、コンクリート製が最も低い、というものでした。
もちろんマウスによる限定した条件下での実験ですから、そのまま人間に当てはめることはできませんが、それでも木に囲まれた暮らしに何らかのアドバンテージがあることはうかがえます。
また、コンクリートに囲まれているなかで育っている方たちにはストレスや心の病気で悩んでいる方が多いようで、昔ながらの木質系の住宅に住んでおられるとそういったことも少ないというようなことも言われております。
学校なども木質化しようという動きが出てきておりますので、やはり木に囲まれて暮らすということは、人間の本能に訴えかけるものがあるのではないか、というように思っております。
1 伊藤晴康・森誠・有馬孝禮・水野秀夫,生物学的評価方法による各種材質の居住性に関する研究:マウスの飼育成績による評価,靜岡大學農學部研究報告,36号, p.51-58(1987-03)
2 丸山則義,マウスを用いた床材性能評価の試み,木材学会(日本木材学会),1988年11月号 特集
木製家具の効能
やはり木の家具に囲まれた生活というものは、人々にとても安らぎを与えるものですから、木の良さをもっと訴えていきたいと思っています。「木の家具に包まれると心が安らぐ」「座り心地がいい」「居心地がいい」そういうことをお客様に言って頂けるような家具作りを、私たちは目指しているのです。
SDGs や環境問題等を考えると、今一番サスティナブルな素材は木材だろうと思います。きちんと植林をして、そして育てていけば、未来永劫使える材料なのです。違法伐採ではなく、きちんと次世代のことを考えて植林をする合法木材を使用することが、資源のサスティナブルな活用につながると、当会では考えております。木材は、廃棄物になっても燃料にもなりますし、肥料にもなります。本当に循環型の資源の優等生だと、私は思っています。
全国各地の家具メーカー
本会では、全国の会員のメーカーを視察にまわり、合法木材を使用しているか、各種基準を満たしているか、チェックも行っております。私自身は会長になって2年あまり、コロナ禍のため、まだ視察にまわっておりませんが、これまでにまわってきた人たちの話を聞きますと、それぞれの企業にそれぞれの技術があって、それを見ることで、お互いに啓発されて、より高いレベルの家具が作れるのではないか、と思っております。メーカー同士がお互いを啓発できる場として、振興会は家具業界の可能性を提示しているのではないかと思っております。
ただ、一口に家具メーカーと言っても、大きなメーカーもありますし、一人親方の工房も全国にはたくさんあります。それぞれがまた、非常に独自の技術で作っておられますので、これだけ多種多様な産業も少ないのでは、と思っています。機械で作ってしまえば、それで終わりではありません。
お客様からの直接の声を聞きながら、一品づくりをやっている一人親方の工房もたくさんありますので、ある意味非常に面白い業界だな、と思っています。
日本人には日本人の美意識があります
世界の家具と国産家具
世界の家具を見渡しますと、日本では北欧の家具が大変人気があります。北欧の家具のテイストが日本人の嗜好に合うんでしょうね。
しかし、日本人には独自の美意識というものがあると思うんです。やはり、日本の住まい方というものは、靴を脱いで生活をするというスタイルです。西洋のように、靴を履いたまま室内生活をするわけではありません。そういう意味では、より日本人の生活に密着し、日本人の美意識をはっきりと出せるような家具というものを私たちは目指しています。
最近は、クール・ジャパンということで、世界でも日本の美というものが認められていますので、私たちの作る日本の美を表現した日本の家具がきっと世界でも認知されていくだろうと思っています。
ただ、実際に日本の家具の良さを認知して頂いても、輸出となりますと、運賃や関税などハードルが上がります。家具は、いわば空気を運ぶようなものですから、運賃が高いのです。なかなか輸出が難しい部分もあるわけですけれど、しかし確実に日本の美というものが、世界でも非常にリスペクトされていますので、どこかの国のスタイルをただコピーするのではなく、私どもは日本の美というものをきちんと家具のなかに落とし込んでいきたいと思っています。
私たちは、海外デザイナーともお仕事をしているのですが、彼らはとても日本の美をリスペクトしていまして、私たち以上に日本的な家具をデザインしてくれるんですよね。
ですから、そういう意味では、決して北欧家具がすべてではなく、クール・ジャパン、日本の美を打ち出していきたいですし、世界的なデザイナーもそれを求めてくれますので、大変楽しみにしております。
飛驒産業の取り組み
飛驒産業では、国内には針葉樹がたくさんありますので、国産木材を使う取り組みを進めています。スギは、スギ花粉などで迷惑がられていますよね。でもスギという木がそんなに悪い木かというと、実は素晴らしい性質を持っている木なのです。みなさん、スギにあまりいいイメージがないようですけれど、スギはヒノキ科スギ亜科スギ属の常用針葉樹で学名を「クリプトメリア・ジャポニカ(Cryptomeria japonica )」といいます。これは、「日本の隠された財産」という意味です。考えてみますと、いろんなところにスギ林があって、神社ですとか舟ですとか、いろんなものにスギが使われてきたわけです。木目もきれいですし、比重も小さいということで、空気を含んでいて、断熱効果も高いんですよね。先ほどの静岡大学の実験などでは、マウスをスギの箱に入れておきますと、非常に元気に育つんです。
そういう意味でも、スギを何とか家具に使いたいということで、圧縮して、スギの弱点である強度を高めて使用しようと取り組んでいます。飛驒産業では20年前からこの取り組みを進めておりまして、かなり安定していい木材ができるようになりました。それを家具に使っております。家具以外のフローリングなどの内装材にも使えますので、圧縮材に力を入れて取り組んでいます。
また、スギは木材として使うだけではなく、木に含まれている蒸留液は、非常に香りもいいし、いろんな効果があることが分かりました。当社でいろいろ実験してみたらスギの蒸留液が農作物にとてもいい効果を与える結果が出ました。成長促進に効果があったり、抗菌・防虫とまではいかないんですけど、大変根のしっかりした作物になり、野菜づくり、お米づくりに活用して頂いて、成果をあげております。
また、木に含まれているオイルを抽出して、いま流行りのアロマオイルとして販売しています。オイルをブレンドしたマスクスプレーを販売していますが、、抗菌作用もあって、香りもよく、マスクをしていても大変気持がいいと今一番ヒットしています。
木材というものには、私たちには計り知れない、いろんな恵みがあるので、さらに木材の恵みについて研究していきたいと思っています。
国産木材の使用
国産家具メーカーが国産木材を使うメリットですが、これはユーザー側から国産木材に何かいいイメージがあるようで、国産の材であることが、一つのアピールポイントにもなっています。
やはり輸入材は供給が不安定ですし、なかには日本では使われない防腐剤を多く含浸させている木もたくさんあり、人体に有害な木材もあるわけです。
そういった木材と比べて、国産木材であれば安心・安全だという認識を持っていらっしゃるユーザーの方が増えつつあるのではないでしょうか。
多品種少量生産の、多品種のなかには「国産木材」を売りにした商品もあります。日本にはいろんな樹種があります。国産の広葉樹にはナラ、クリ、ブナ、カキ、いろんな木材がありますので、そういった樹種の木材を使うことによって、木の面白味みたいなものを感じて頂ける家具づくりもできるのではないかと思っています。
私どもは、これまでクリ材は使っていなかったのですが、クリ材を使ってみたら、大変人気も高いんですね。お客様にとって木目を楽しめる材料ではないでしょうか。
作るほうとしては、木材を確保して、その樹種に合わせて商品を生産するということは、非常に大変なことなのです。しかし、そういう市場のニーズがあれば、それに対応できるように木材を確保していきたいと思っています。
ある意味、大変さもありますが、よりお客様のニーズに応えられる可能性もあります。本当に乗り越えなきゃいけない関門はたくさんありますが、それを乗り越える楽しみもあると思っております。
これを、楽しみと思うか、苦しみと思うかは、それぞれだと思います。
多摩産材は、スギ材が多いですから、加熱圧縮して固くしてから使っております。家具のユーザーの方も、自分の土地にあった木を使いたいという方も多くいらっしゃいますし、最近それぞれの地方公共団体や役所がそれぞれの産地の材を使いたいという案件が多いので、それぞれの産地の木材で家具作りをしております。
多摩産材にも追い風が吹いているのではないでしょうか。多摩では森林循環もされていますから、それらが活用されているのだと思っています。
木というものは、人間にとって、先祖代々ともに暮らしてきたものですから、木製家具を使用することによって、木に包まれて、穏やかで健康的な、安心・安全な生活をして頂きたいと思います。
できれば、国産木材で、特に地元の木材で作った国産家具を使いたいと、そんな思いを持って頂けたらありがたいと思っております。
できれば国産木材で、地元の木材で作った国産家具を